ナツの誘惑
「緒斗は……私が好き?」
きっと違う
そうじゃない
本当に
好きでもなんでもないんだ
ただ女が、何かといえば光り物を好むように
なんとなく欲しかっただけ
その時の興味と
その瞬間の欲
一時的な
気の迷い
たとえばそれが
親友の大切なものでも
「緒斗…く…っ」
「……ナツ」
そう呼んだ時の感情は
覚えてない
ガサっ
「那都…、緒斗?」
「篤志……」
たたずむ影
動かない親友
篤志…
お前はこんな那都
見たことないだろ……?
ミーン、ミンミン……ーーー