ピュア・ラブー‐鞄の中の天使‐ー
「そんで、あげるの?鞄。」


今度は、真顔で聞いてくる。


『あげちゃいなさい!』

(…あの声だ…)


「そっか、あげちゃうんだ…鞄。」


え…何、何?
のんちゃんたら何、納得してんの?


「のんちゃん?」


「ん?」


「あたし、何て言った?」

「あげちゃうんだって。」

~~あの声のせいだ~~

「その鞄さぁ、お気に入りだったのに、いいの?」


「母さんには、申し訳ないけど…。アイツ、ずっと欲しかったみたいでさ。それに、この鞄もかなりお古だしね。」


そう言うと、のんちゃんは、安心したように頷いた。


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