ピュア・ラブー‐鞄の中の天使‐ー

No.7

あたし、たじろいだ…。


「母さん、ひとりで行くんじゃなかったの?」



「ごめんなさい… あの時、父さんが、生きてると知ったあの日… うぅ…。」



あたしの肩に顔をうずめて泣き出した母さん。



…愛しいよ…。



「母さん、もういいよ。 母さんの思いは、知らないあたしじゃないよ…。」



「え…?」



慌てて涙を拭う、母さん。



「母さんが、父さんのことで、あたしに気遣ってるのは、感じてた。でもね、これからは、そういう気遣い… いいよ。


逆に辛くなるから…さ。」



「か…な…。」



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