15才でママになった理由(わけ)
急いでマンションに帰ると、母が出掛けるとこだった。


ごめん、母さん。


「琢磨は大人しく寝てるから、夕飯はご飯と味噌汁サラダ、ハンバーグは焼くだけだから頼むね。その子誰?」


秋人虫の事をすっかり忘れてました。


「真人さんの弟の秋人さん。」


「風間秋人です。旭ヶ丘高の2年です。」


母さんの嬉しいそうな顔、やな予感がする。


「真人君よりイケメンで、モテるでしょ。奈都は旭ヶ丘に行きたいみたいだから、色々と教えてやってよ。」


あれ、結構、母親らしい話をしてるし。


「分かりました。俺が分かる範囲なら何でも教えますよ。」


秋人虫も、真面目に答えてるし。


秋人虫に教えてもらう事なんかないのに。


「奈都は人疑う事しらないから、いつも騙されて傷つくし、学習能力ないし、秋人君奈都を頼むね。」


勝手に頼まないで下さい。


なんで娘の恥を話すの。


「母さん、もういいから仕事行ってよ。」


秋人虫に知られたくない事迄話すなんて。


酷い。


「おまえいつも1人なのか? 」


そうです。


幼稚園の時からだから、もう慣れた。


あの頃はいつも母さんを追って泣いてたけど。


お姉ちゃんは友達の所へいってしまい、私はいつも一人ぼっちだった。


一人ぼっちに慣れすぎてしまうと、寂しいと感じる気持ちも薄くなって、当たり前になってしまう。


泣きながら寝てしまう事も何度もあったし。


目が覚め母さんがいると、一人ぼっちじゃないと思えたんだ。











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