15才でママになった理由(わけ)

最後の夜に

泣き止まない琢磨をあやしていると、琢哉さんが私の所に来た。


「奈都ちゃんに話しがあるんだけどいいかな。 」


とうとうその時が来た。


「琢磨が眠ったから寝かせてくるね。」


琢哉さんが私に抱かれた琢磨を見た。


「奈都ちゃんが抱くと、琢磨は気持ちよさそうに眠るね。奈都ちゃんの腕の中が心地いいんだろうな。」


特別な抱きかたはしていない。


可愛いから抱き締めたくなるのだ。


「琢哉さんも早く抱き方のコツを覚えてね。私がいなくても困らないように。」


あ、しまったな。


「奈都ちゃんは知ってるの。」


私は頷いた。


「琢哉さんの部屋に行きましょ。」


「お母さんから聞いたんだね。 」


「聞いたけど、琢哉さんから話してほしい。」


琢哉さんの言葉で聞きたかった。


琢也さんから聞いて納得したい。


「俺の両親は早くに亡くなって、俺と妹は叔父夫婦に育てられた。その叔父が倒れて、帰って来てほしいと言ってるんだ。琢磨連れて九州に帰る事にした。」


もう決まっているんだね。


琢哉さんは育ての親を見捨てたりしない人だ。


そんな琢哉さんが好き。


覚悟を決めたから何を言われても大丈夫だ。


絶対泣かない。













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