初夏の香り、君の気配
初夏の香り、君の気配



じとっとした湿気に、だいぶ伸びた髪をまとめた。




夏休みはもうすぐだけれど、まだ嫌な湿気は健在だ。





「夏凪(かな)〜ちょっと〜」


階下から私を呼ぶお母さんの声に、私は終わりそうにない課題を閉じ、階段を降りた。

< 1 / 11 >

この作品をシェア

pagetop