色つきリップ〜紅い唇〜
 


「ん?」


スコアブックに目を落としたまま、大野が返事をする。


「今年は、勝つかな?」


「どうだろ……第1東中、強いからな。でも負けたくねぇな」


「負けたら、どうする?」


その言葉に大野が顔を上げ、大野がわたしを見た。


「もう『慰め』は、必要ない?」



声が、震えていた。



去年のように


大野の本音を教えてよ……?




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