ライナーアンドザ・スカイ


「ど、どうしたの」


危うく通り過ぎるところだった。

すれ違い様に顔を見て、咄嗟にその腕を掴んだ。

会長も突然のことに驚いたらしい。

目を見開いている。


「草取り終わったので、チェックお願いします」


手を放すタイミングがわからない。

それを言い訳にして、少しでも長くこうしていたかった。

服越しでもわかる細い二の腕の柔らかさを手放すのか、惜しい。


「ほんと?お疲れさま!
先に生徒会室にプリント置いてくるから、行ってていいよ」


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