ライナーアンドザ・スカイ


俺が事情を説明すると、会長は嬉しそうに笑った。


こういうの、嬉しい。


先生たちを説得してみせると意気込む会長は、その勢いで電車に乗って帰ってしまった。


この後お茶くらい……って期待してたのに。


しかし、どうやら会長を喜ばせることができたらしい俺は、それだけでも満足だった。


私服見れなかったし。

長い時間一緒にいられたわけじゃないし。

会長との距離が縮まったわけでもないけれど。


思いがけず見ることができた素の会長の笑顔に、ひたすらに満たされた。


それに、会長の過去の恋愛についても知れた。

その恋愛話がちょっとすっきりしないところだけど、何にしても今日は大収穫の一日だった。


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