ライナーアンドザ・スカイ


見透かされているようで気分が悪い。

目線を手元に戻し、草を刈るスピードを速めた。


「……人相学でもやってるんですか」

「は?」


この人の本性を知っているだけに

「人を見た目で判断するのが得意らしいので」

つい厭味を言ってしまう。

それに……
そろそろ一杯になりそうなバケツ。

こんなものを押しつけられたら、厭味のひとつふたつ言いたくもなる。


「てことは当たってたのか」


「……さあ?」

確かに恋はしてない。

他言する予定もなかった。


攻撃したつもりが全く効かなかったらしい。

それどころか、カウンターを食らってしまったかも。


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