ライナーアンドザ・スカイ


予期していなかった言葉。

ヘアピンで留めようとしていた毛束がするりと手から落ちてしまった。


「……は?」

「忘れて次の恋でも探したまえ。若人」


落した毛束を再び手に取り二つ折りにした。
それをヘアピンで留めたいのだけれど、思い通りの場所に留められない。

直すために外そうとするけれど、うまく外せない。


「……昨日といい、何なんですか。恋恋って」


「動揺してるくせに、よく言うわ」


嘲笑うように言った。
きっと小馬鹿にしたような顔をしているのだろう。


ほんとに、一体何なの?

何も知らないくせに。
絶対勘違いしているのに。

それなのに。


「俺は」


会長が背を向けていて、本当に良かった。



「そんな刹那的な感情に興味ないですね」





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