PURE ~ずっと忘れない~

家族の温もり

泣くな、あたし。

元気出せ、あたし。
何度も自分に言い聞かせる。

だって、今日は此処から出て行く日。

気を緩めたら、涙出そうだから、自分に気合いを入れるんだ。

最後位、笑ってなきゃ…。

「亜紀、荷物出来たか?」

マンガを読みながらあたしに聞いてきた。

「出来たよぉ。」

いつの間にか、増えたあたしの荷物…。
直樹君と、一緒に暮らしてた証。

もう、一ヶ月は此処にいたんだぁ…。

お母さんと喧嘩して家出して来たんだよね…。

懐かしいなぁ。

でも、今日からは、実家があたしの居場所だ。


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