PURE ~ずっと忘れない~
「どうした!佐々木。大丈夫か?」


体育の先生が走って来た。

「佐々木さん、具合悪そうなんで、保健室行って来ます。」

「そうだな。中村、付き添ってやってくれるか?」


「あっ…はい。」

「ごめんね?亜紀。迷惑かけるね。」

まだ少し、しんどそうな美月の背中に手を回して支えた。


保健室まで来ると、先生がいて、すぐベッドに寝かせてくれた。


「どうしたの?佐々木さん。顔色悪いわね?」

「走ってる時、急に立ち眩みがして…。」

「朝ご飯、食べた?」

「いえ…。」


「貧血ね。朝ご飯食べなきゃダメよ?

無理なダイエットしてたら、すぐ倒れるんだから。」

良かったぁ…。ただの貧血で。

あたしの思い過ごしだったみたい。


でも、美月のムカつきは、治まらなくて、たまに貧血を起こしていた…。

「美月、先月生理きた?」

恐る恐る聞いてみた。

「そういえば、きて…ない。」


「美月、帰りに薬局行かない?あたしも付いて行くから。」

猛君と付き合って、五ヶ月。

逢う度に求めてくると言ってたっけ…。

出来てても、おかしくない…!?

「ごめんね?迷惑かけて…。」

「気にしなくて、いいよ。」


学校の帰りに近くにある、ドラッグストアーに寄った。


「出来て無いといいね…。」

「そうだね…。」
< 94 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop