15歳、終わらない3分間
もちろん私も、そわそわする気持ちがある。

でもそれはきっと、ふたりとはちょっと違う、のかもしれない。



「わからないから考えるんだろう」

大庭君も冷静に見えるけど、視線が定まらないのがわかった。





だから、この中で霧崎 六佳(りっか)君だけが浮いていた。


ヘッドホンを耳にかけて、やっぱり机の上に座って、外を眺めている。

その表情からは焦りとか不安はおろか、何も読み取れない。


彼とは喋ったことがなかったのだけれど、いつも無口で、ひとりでいることが多かったように思う。

見た目は割とかっこいいというか綺麗な顔だちで、入学当初は女の子たちから騒がれていたものの、今は落ち着いていた。


 
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