ピュア *first love*



――バンッ!


教室のドアが勢いよく開くと、彼が一人で教室から出てきた。


制服は乱れて、唇の端から血が流れている。


異様な雰囲気に、思わず声をかけた。


「ど……どうしたの?」


彼は私の顔を見ると、目を伏せて、その場を立ち去る。


……あ、あれ……無視された?



ズキンと痛む胸。出会ってから今まで、一度も彼から無視されたことはなかったのに……。


方針状態の私。この場から動けない。



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