ピュア *first love*



「泣かないで……」



ズキズキと痛む胸。
私なんかのために泣かないで……。


「あみ……」


ソッと彼の指が、私の髪に触れようとした瞬間。


――ビクッ!!


大きく体が震えて、身構えてしまった。彼はそんな私の姿に、目を見開いて、完全に動きが止まる。



「あ……保健室、行こう」

「……うん」


俯いて、元気なく返事をする彼。彼が私に触れようとした瞬間、自分でも驚くほど身構えてしまった。



< 142 / 340 >

この作品をシェア

pagetop