ピュア *first love*



一瞬だけど目が合った気がした。ううん、気のせいじゃない。


彼は真っ直ぐ……。



私の方へ、歩いて来てくれた。



彼は手で額の汗を拭いながら、私の目の前までやって来た。


まわりの女の子達は、私達の言動に注目している。


「図書委員の仕事は? 二宮は来なかった?」


久しぶりに聞く彼の声。変わらない優しい話し方。


今までずっと我慢していた想いが一気に、涙となって溢れ出す。



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