ピュア *first love*



「いつもは20分前には来るのに。ホームルームまであと5分しかないじゃん!」

「ごめん。体がだるくて、起きれなかったんだ。ずっと待っててくれたの?」


そう言うと、不機嫌な顔から心配そうな顔に変わる。


「進路のことで悩んでる? 相談にのるから、私には何でも話してね」


優しくて思いやりのある彼女。思わずこの場で、抱き締めたくなるよ。


「大丈夫だよ。あみの用は何だった?」

「……時間ないから、手紙読んで」


差し出された手紙を受け取ると、彼女は自分のクラスへと戻っていった。


携帯を持っていない彼女は、たまにこうやって手紙を書いてきてくれる。


これはかなり嬉しかったりするんだよね。



< 234 / 340 >

この作品をシェア

pagetop