また恋をした、その時に。



     突然。




彼の体が重しのように、
自分にのし掛かって。

私は、何度も名前を呼んだ。


 「…………リク!」

肩を両手ぎゅっと掴んで
体を離し、顔を覗き込む。


目は閉じられ、少し開いた口。

それでも、綺麗な顔で。


ドキッと胸が高鳴った時、
聞こえたのは・・・




スースースー

穏やかなリクの寝息だった。



  「遠藤さん!」


< 202 / 368 >

この作品をシェア

pagetop