また恋をした、その時に。



───────────────


「………ありがとう、
送ってくれて。」


「…………うん。」


───心美ちゃんのマンションの前。

目的地に着き、
その柔らかい声を聞いた瞬間
顔も上げられなかったんだ。

「……………」

今にも泣きそうな自分が
また弱い頃に戻ったみたいで情けない


こんなんだけど、大好きなんだ。

世界で・・・

ううん。

宇宙で1番大好き。



何も言えない僕を
心美ちゃんは、温かく包み込んでくれて。

彼女の柔らかい髪が頬に触れる。

安心感がある温もり、匂いにどうしようもなくなって───…



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