また恋をした、その時に。



話しの途中から
心美ちゃんのすすり泣く声が聞こえてきて。


僕もこれ以上は話せそうにはなかった…





「そんなの…っ…信じられない」

彼女の絞り出すような声にぎゅっと目を閉じて耐える。


ごめんね
ごめんね、辛い想いさせちゃって…



「リクの嘘つきっ………」

そう言って、彼女は立ち上がり。


「遠藤さん………!?」

「あ………」


そのまま、
体育館を走り去っていく。

長い巻き髪、柔らかい素材の服が揺れる。

その後ろ姿を見る事しか出来ない自分。



と、心美ちゃんが動くと同時に


「ちょっと待って!!!」

小日向君が彼女を追いかける。

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