また恋をした、その時に。



心美ちゃんのお父さんは
単身赴任をしていて、
今は別々に暮らしている。

お母さんは看護師をしていて、
夜勤とかで家にいない日も多い。

そんな日は、心美ちゃんは
1人で夜を過ごしていて。

毎回テーブルの上には
夕食代の千円が置かれているのが
たまらなく嫌だって……

涙を貯めながら話してくれた。


それから、

「うちはお父さんが
いないんだからしっかりして。」

これがお母さんの口癖らしい。

お父さんが単身赴任になってから
勉強も、家での規則も
今まで以上に厳しくなったって。


───心美ちゃんは今。
沢山苦しいんだ…


「僕に何か出来る事、ない?」


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