山賊眼鏡餅。
「俺のこと嫌いになった?」


「別に嫌いにならないよ……でも」


「でも?」


「山賊って一体何なのか、全然わからないよ」


「さっき説明した通りだよ」


「よくわからない」


「俺は俺だよ。それだけ」


「……うん」


「うち、来る?おやつあるよ」


「うん」




茂みを抜けて、小屋に行くと、ちょうど、ハジメのお母さんが出かけるところだった。


黒い長い髪に、黒いトレンチコート。



「影丸のエサやりよろしくね」

ハジメのお母さんはそう言って、風のように去って行った。


「お母さんも山賊なの?」


「もちろん」


「影丸って?」


「相棒」


「なにそれ」


「見たらわかるよ。あとでね」
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