光を背負う、僕ら。―第1楽章―
――もう、戻れない。




ピアノを再び弾く前には、もう戻れない。



動いていないようで、運命は少しずつ確実に動き出しているんだ。




運命は、誰かが動かしたわけじゃない。




動かしたのは、あたし自身だ…。



運命の歯車は、誰にも止められない。



きっと、あたしでも……。






そっとノートを閉じて、窓から空を仰ぐ。



するとそこからは、夕焼けと暗闇に染まる境目で輝き出す一番星が見えた。



あの星は、一体どんな未来を見つめるのだろう。



あたしが見つめる未来は、自分でもわからない。



ただ、自分の夢に自信を持って進んでいけることを願うだけ……。




そっと瞼を伏せれば、未来へと向かうこれからの長い道のりと、その運命が動き出したことを告げるメロディーが聞こえてくるような、そんな感じがした――…。






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