光を背負う、僕ら。―第1楽章―
自業自得だと思いながら、頭を押さえてうつむいた。



するとふと、机に広げていたアルバムが目に入る。



中でも最初にあたしの目に映ったのは、ピースをする伸一と真奈の姿だった。




「…なんで、二人は別れちゃったのかな…。」




考えてみてもそれは、わからないことだった。




あの二人は、小学校を卒業する日まで付き合っていた。



だけど中学校に入学してしばらく経つと、別れたという噂を聞いた。



何が原因で、何が二人を裂いたのかはわからない。



だけど二人が別れたことは噂ではなく、事実だというのは次第に確信に変わった。




このことがあたしには、とても不思議だった。



どれだけ二人が仲が良かったのか。



どれだけ二人がお互いを想っていたのか。




それは同じ小学校出身で、なおかつ二人を見てきたあたしだからわかる。



なのに、二人は別れてしまった。




しょせん人の気持ちは、わからないってことかな…。



恋愛感情だと、特に。




< 225 / 546 >

この作品をシェア

pagetop