光を背負う、僕ら。―第１楽章―

未知の世界

「佐奈ー！おはよう！」




まるで絵の具を塗ったように真っ青な炎天の下。



明日美と流歌は手を振りながら、爽やかな笑顔であたしを待っている。




「二人とも、おはよう！」




あたしも二人に負けないぐらいの笑顔を見せながら、二人のもとへ駆け寄った。




「ごめんね。暑い中待たせちゃって。」




あたしは少し息を弾ませながら、申し訳ない気持ちを二人に伝える。




「全然大丈夫だよ！」




ふんわりとした笑顔を向けて、そう言ってくれる流歌。



だけど白い肌には、少しだけ汗が滲んでいた。




「それにしても、佐奈が遅刻するなんて珍しいね。普段はきっちり時間守るタイプなのに。」



「あっ、えっと、それは…。」




おでこに浮かんだ汗をタオルで拭いながらそう言った明日美の言葉に、あたしは苦笑いしながら言葉を詰まらせる。




「…もしかして、緊張して眠れなかったとか？」



「……うん。」




さすがは明日美。



あたしのちょっとした反応から、いとも簡単に事実を言い当ててしまった。





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