光を背負う、僕ら。―第1楽章―

心を許せる場所




気まずい空気が流れてしまった体験入学。



だけど再開されると、思っていたよりも早くペースを取り戻していった。




あたし達中学生はまず、あの重苦しい空気が充満してしまった部屋の外へと案内された。



そして部活動の見学をしたり、授業を体験してみたり――と、体験入学のプログラムとして残っていたことを全てやり遂げていった。



そうやって体験入学の時間は、何事もなかったようにサラリと流れていったのだった。




――そして。



「本日は中学生のみなさんと一緒に体験入学の時間を過ごすことが出来て、私達職員もとても楽しかったです。
来年の春、みなさんと再び会えることを楽しみにしています。
本日はありがとうございました」



全ての体験を終えた中学生は全員、最初に入った講堂に再び集合していた。



そんな中で東條学園の先生達が全員壇上に上がる。



そして代表の先生の挨拶とお辞儀を合図に、この長い長い体験入学は幕を閉じた――。



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