あなたのペット的生活
「お前、俺に向かっていい度胸だな」
投げるものがなく、なんか怒る気も失せた私はその場に座り込み俯いた。
攻撃されなくなって孝ちゃんは一歩一歩ゆっくり近付いてきた。
ファーストキスだったのに。
……孝ちゃんとしたかったファーストキスだけど、孝ちゃんが覚えてないならそんな思い出苦しいだけだよ。
「っく、ひっく……」
「おい、乃亜?」
あ……孝ちゃん、焦ってる?
声が柔らかくなった気がする。