あなたのペット的生活



「『……あ』って何だ?お前、忘れてただろ」

「へ……へへへ」



だらしなく笑うと孝ちゃんは呆れたように大きな溜息をついた。



「で?
これは命令だ。俺は、お前に何かしたのか答えろ」


「……えぇっと、何にもなかったよ」

「嘘つけ。何かあったんだろ?」

「本当に本当!!何にもなかったって」



うっ……疑うような眼差し。


何もなかったって嘘だよ。


孝ちゃんはなにも間違ってないよ?





だけどさ、私、孝ちゃんにキスしたんだよって言えるほど強くないんだよ。


< 139 / 422 >

この作品をシェア

pagetop