あなたのペット的生活
私はただただその場に立ち尽す。
だって、何がなんだかさっぱりわからないから。
前からは2人仲良くコチラに向かって歩いてくる孝ちゃんと女の人。
……コチラに向かってくる?!
どうしよ?!
隠れなきゃっと思うが、時すでに遅し!
隠れる場所もなければ、孝ちゃんに見つかってしまった。
「乃亜?」
一瞬いつもの悪魔のようなダークな顔を見せたが、孝ちゃんはまた嘘っぽい笑顔を貼り付けた。
「あれ?孝二、妹いたっけ?」
ふんわりパーマの女の人。
目はぱっちり大きくて、薄い青のアイシャドーがなんだかすごく大人っぽくて、化粧もしてない私は『子供』という言葉を後頭部からガツンと叩きつけられた気がした。