あなたのペット的生活


まだバイトいく気なかったから財布忘れてきたんだ。

くそ……。

正直、めんどくさい。



けど財布は結構必需品だからなぁ……。




「俺、財布忘れてきたから、ちょっと待ってて」
と言って、真後ろにある岩熊酒屋へと戻った。




「ただいまぁ」


店から入ると接客用の笑顔を作った母親が、俺を見るなり、『なんだ、お前か』とでも言いたげに溜息を漏らした。



おいおい。

なんだよ、その態度は。





「あんた、バイトじゃなかったの?」

「財布忘れたから」


「ドジだねぇ〜。誰に似たんだか」


「はいはい」



やたら絡んでくる母親を適当にあしらって、財布をケツポケットに突っ込む。



「あんた、彼女いたんだねぇ。
乃亜ちゃんとばっかりいるから、てっきり彼女いないもんだと思ってたわよ」


「いやいやいや。あの人、彼女でもなんでもないから」


「でも、わざわざ来てくれるってことは、気に入られてるってことじゃないの?」




< 227 / 422 >

この作品をシェア

pagetop