あなたのペット的生活
まだバイトいく気なかったから財布忘れてきたんだ。
くそ……。
正直、めんどくさい。
けど財布は結構必需品だからなぁ……。
「俺、財布忘れてきたから、ちょっと待ってて」
と言って、真後ろにある岩熊酒屋へと戻った。
「ただいまぁ」
店から入ると接客用の笑顔を作った母親が、俺を見るなり、『なんだ、お前か』とでも言いたげに溜息を漏らした。
おいおい。
なんだよ、その態度は。
「あんた、バイトじゃなかったの?」
「財布忘れたから」
「ドジだねぇ〜。誰に似たんだか」
「はいはい」
やたら絡んでくる母親を適当にあしらって、財布をケツポケットに突っ込む。
「あんた、彼女いたんだねぇ。
乃亜ちゃんとばっかりいるから、てっきり彼女いないもんだと思ってたわよ」
「いやいやいや。あの人、彼女でもなんでもないから」
「でも、わざわざ来てくれるってことは、気に入られてるってことじゃないの?」