執事とお嬢様、それから私
「あー…あの、まじいいっすから」
「しかし…」
「迷子のがき一人家に連れてきただけっしょ。みんなのすんだろそれ位。めんどくせぇよ。お礼とか、いいし。」
「……」
「お茶、うまかった。から、お礼はこれでいい。あやなにはよろしく言っといて、もう迷子になんなって。じゃ、俺帰ります」
あーいっぱいしゃべって疲れたっ。
まだ何か言いたげな執事を尻目に俺は俺んちより遥かに広い玄関に向かった。
外に出て、空を見ればもう星が出ている。
セミはうぜぇし、ムシムシするし。
めんどくせぇ。
でも、心地よかった。
暗闇なのに、世界は、色づいて見えた。