不良の法律~Judge Town~
サクラは魅力的な笑顔かつ、顔を絶妙な角度でかしげながらヒサジに話しかける。

さすがのヒサジもサクラを直視出来ない。

そんなヒサジに構わずサクラは、飲み物とスナック菓子をテーブルの上に置き、静かに部屋から出ていった…。

「それにしてもサクラさんがマスターとは驚いたな…カズヤのタイプだろ?」

「まぁな…けど、サクラちゃんの顔立ちは大概の奴がタイプだと思うぞ」

カズヤは俺の意見を否定せず、肯定とも取れる返事を返した…。

確かに、サクラさんのルックスはアイドル顔負けだ…なんでこの町で暮らしているのか疑問を感じるぐらい。

「俺はサヨだけが全てだ…それは今でも変わらない」

「……そうか」

覚悟を決めた今、ヒサジは『血のクリスマス』の出来事をあえて連想させるサヨの名前を出した…。

途端に部屋の空気が重くなる…。

「そろそろ教えてくれないかカズヤ…何が起きてこの町に居るかを…」

「そうだな…じゃあ俺が、ケイタにナイフで刺されて意識を彷徨っていた日から話そうか…」

カズヤはあの日のことを思い返す…。

まだまだガキだったあの二年前の出来事を…。
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