ただ普通の恋がしたかった
「草岡先輩ってやっぱりかっこいいよね。」
「私は、北先輩がいいな。」
「あー、北先輩はイケメンだよねー。真緒ってそういうのタイプだったんだ。」
「うん。」

北先輩は、かっこいい。
誰もが認めるイケメンだ。
けど、もの静かで、いまいち女子からの評判は、尚人さんほどではない。
尚人さんは、どちらかと言えば、2枚目とは言いづらいのだけど、
明るい笑顔と、華麗なトークで、周りを盛り上げる感じの人だった。



試合後、里奈が尚人さんと話したいというから、客席から、コートまで降りた。
尚人さんの周りには、たくさんの女の子がいた。

私は、里奈を、一先ずその尚人さんのファンの輪の中に行かせ、
気になっていた北先輩の方に行き、自己紹介をした。

「1年の山川真緒です。」
「・・・あ、うん。」
「先輩のプレイよかったです。」
北先輩は、少し恥ずかしそうに、微笑んだ。


「あれ?真緒じゃん。」

後ろから聞き慣れた声がした。
「あ、お姉ちゃん。」


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