らっこの国のお姫さま
「じぃ!じぃ!」

姫が大声でじぃを呼んでいます。

「何事ですか!?
大声を出されてはしたないですよ!」

駆け付けたじぃのお説教をものともせずに、姫は言いました。

「あのね…!
城にある果物を一杯持ってきて欲しいのきぅ!」

笑顔満面でそう言いました。

「わかりました。」

しばらくして、じぃは果物をいくつか選び持ってきました。

「姫…?」

何故か姫が忽然といませんでした。

ザァ~ッ…

ザァ~ッ…

姫の部屋には、波音と海猫の鳴き声ばかり響いていました。

その日の夜、姫が何かをひきずって帰りました。

「これでいいきぅ!」

姫は疲れてベッドでぐっすりやすみました。

次の朝、姫の飼育係が、姫の好物のアイスクリームを姫の部屋の冷凍庫に補充しに来ました。

「うわ~ッ!!」

ドサドサドサ…!!

「何きぅ…
そうぞうしいきぅね…」

姫が目をさましました。

「イタタ…。
何ですかこれは…。」

飼育係は凍った丸ごと林檎や皮つきバナナやぶどうにみかんや、冷凍の魚に埋まっていました。

「何きぅ…
そんな事も知らないのかきぅ…
それはソルベとルイベきぅ。」

姫はきっぱりと言い切りました。

「これがソルベですか!?
これがルイベですか?」

丸ごと凍った林檎や皮つきバナナ、丸ごとの魚を見て飼育係が言いました。

「だって…姫の絵本に卯月心さんて人が書いて教えてくれたきぅ…!」

「姫…。
丸ごとはイチゴやみかん位ですよ!
何でもかんでも丸ごと凍らせるものではありません!」

姫は悲しそうにシュンとしてしまいました。

しばらくして、じぃがサイダーに果物のソルベが入った物と、鮭のルイベを持ってきました。

もちろんデザートにアイスクリームに冷凍イチゴも載せて。

涙顔だった姫も笑顔になってそれを美味しそうにたいらげました。

隣の部屋から飼育係がそれを見てにっこり笑っていました。
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