白いジャージ4 ~先生とlove life~


「中田が今、不安でいっぱいなのは、会えないからじゃない。会えなくて寂しいっていうのと、心がモヤモヤするってのは別だと思う。俺が直と離れていた高校3年の頃って、学校以外では会えなくて、寂しかった。でも、不安じゃなかった。心と心が繋がってるって信じてたから。毎日会っていても、相手の気持ちが見えないときって心がモヤモヤして、一緒にいるのに、遠くに感じたりするんだよ」





先生はチラっと私の方を見て、私の頭に手を乗せた。


なんだか泣きそうになった。




あの時、私を支えてくれたゆかりが今、不安で苦しんでいる。


助けたいのに、何もしてあげられない。





「先生と直が、不安だった時って……いつ?」




「俺にとっては……娘がいるって話した後かな。普通に電話して普通に仲良く話してるのに、直が笑っていないように感じた。無理してるんじゃないかって…… あの時は、本気で眠れなかったな」




先生は、遠い目をしながらあの頃を思い出すようにゆっくりと話した。




そうだね。


いろいろあったね。



私は、それからしばらくして、先生と別れようって決意したんだ。








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