白いジャージ4 ~先生とlove life~



「それに、さっき金森先生が教室から出て行かなかったら、どうなっていたと思う?悪いことをした人だからと言って、何をしてもいいわけじゃない。それでみんなで追いつめてしまったらいじめと同じになる」



山村が泣いていた。


その隣で友達が肩を抱いて、慰めていた。




「あと数日で教育実習が終わる。みんなは、このまま終わっていいのか?金森先生にとって、人生初めての生徒がここにいるお前達だ。金森先生の一生の思い出に残る生徒なんだから、こんな形で終わって欲しくないな、俺は」




さっき、最初に金森に意見を言った生徒が立ち上がった。




「私達、金森先生と話し合いたいんです。でも、金森先生は逃げちゃって、それってずるくないですか!」




「逃げるべきじゃないと思うけど、まだ金森先生も未熟な部分があって当然だろ?自分がもし金森先生の立場だったら、どうだろう。自分も間違っているかも知れないってわかっていても、この人数に一気に責められるってやっぱりちょっと怖いと思うよ。俺だって、今みんなから責められると……正直かなり怖いよ」



何人かの生徒が少し笑い、中には頷く生徒もいた。





< 302 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop