白いジャージ４ ～先生とlove life～

「心配だな。たっくんは自分が見えていない感じだな。中田と別れたら、すぐ彼女作るんじゃないかな。わかんねぇけどさ」



「そんなの……ひどいよ。たっくん、ゆかりのことまだ絶対好きなのに」




涙が出そうになった。


たっくんとゆかりはセットなんだ。



ふたりが別れるなんて信じられない。




「そうだな。たっくんは中田のことが好きだと思う。でも、中田の前で弱音を吐けないって。あのふたり、早く結婚したいっていつも言ってただろ？焦りもあると思うんだ。社会人になれば結婚できるってきっと思ってた。でも、実際はそんな甘くなかった。自分で自分が情けないんじゃないかな。だから、中田と向き合えない」




社会人になる前と、なってからでは、『社会人』に対する考え方が大きく変わった。


私も、働いてから気付いたことがたくさんある。


先生でも、1年目はすごく辛かったんだ。



たっくんの苦しみや悩みは、私達女の子には理解できないものなのかな。



ゆかりは、たっくんと早く結婚したいとは言っていたけど、それは結婚の約束が早く欲しかっただけなんだと思う。



たっくんが社会人として自信が持てるようになるまで、ゆかりならちゃんと待てるよ。


ゆかりは、人の気持ちを思いやれる優しい子だもん。




「俺と直も2回別れた。でも、結婚した」



「うん。そうだね。きっと大丈夫。ゆかりとたっくんなら……」





このままゆかりとたっくんが別れることになったら、ゆかりはどうなっちゃうんだろう。


先生が言ったように、別れたからって終わりじゃない。



でも、私と先生の別れは全然違う。


こんな風に、少しずつ相手の気持ちがつかめなくなって、不安が積み重なっていくってどんな気持ちなんだろう。