白いジャージ4 ~先生とlove life~


たっくんはまた涙目になった。



「もう気付いたんだろ?中田じゃないとだめだって」




「うん…… ばかだよな。俺……」




今度やり直すことができたら、このふたりはもう別れない。


そう俺は確信した。



誰にだって間違いはある。


自分を見失うこともある。



何が正しくて、何が大事なのかそれすらわからなくなることもある。




失ってみて初めて気付くことだってある。




「もしやり直そうと思っているなら、絶対によそ見するなよ。中田はお前だけを待ってるんだから。もし、他の女と付き合ったりしたら俺、もう知らないから」




「先生…… 別れるまでは、こんな気持ちになると思わなかった。会社の同期の女の子と遊びに行く気にもならない。ちょっと俺に気がある先輩がいるんだけど、その人にもきっちり気持ちを伝えるよ。俺は…… 今度ゆかりを迎えに行く時は、ちゃんと覚悟決める。同じこと何度もしてちゃ、本当に捨てられちゃうから」





安心した。


早くこのことを直に伝えてやりたいと思った。






直も心配していた。



たっくんは彼女を作っちゃうんじゃないかって。






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