蝶々結び
「創太!あたし、帰るね!」


あたしは言い終わるよりも早く、上杉先生と創太に背を向けた。


一刻も早く立ち去りたくて急いで玄関に向かうと、畑仕事を終えたみっちゃんが帰って来た。


「七星ちゃん、ご飯食べて帰りぃやぁ!なっちゃんには、もう言うてあるから!」


「そうやで!良兄とも知り合いやねんから、一緒に食って行けよ!」


「え?いや、でも……」


「えっ?七星ちゃん、良平と知り合いなん!?ほんなら尚更ええやんか♪」


みっちゃんが笑顔で言うと、創太があたしを強引に居間に連れ戻した。


だけど…


上杉先生と目を合わせ辛くて、みっちゃんと一緒に夕食の支度をした。


みっちゃんがあたしと先生の事を訊いて来たけど、ちゃんと答えられなくてすごく気まずい。


大好きなみっちゃんの料理も、ほとんど食べられなかった。


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