蝶々結び
数日後に三学期が始まり、また慌ただしい日々を送っていた。


うちの学校は、学年のほぼ全員が進学する。


だから毎年三学期になると、先生と三年は今まで以上にピリピリしているんだ。


この時の学校の雰囲気は、二年になっても慣れなかった。


「何か……学校中がピリピリしてますよね……」


生徒会室で卒業式の資料を作成している時、白田君がポツリと言った。


「そうだね……。うちの学校は、毎年こんな感じみたいだよ?」


あたしは頷いた後、苦笑しながら言った。


「毎年っスか?」


「あたしはそう聞いたけど……。それに去年もピリピリしてて、普段は見過ごして貰えるような事でも怒られてたし……」


「災難っスね……」


「あたしも今年は受験だし、他人事じゃないなぁ……」


何だか憂鬱な気持ちになって、ため息をついた。


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