蝶々結び
「ブッ……ッ!!」


創太は突然吹き出すと、そのまま笑い出した。


「ちょっ……!?創太!?何よっ!?」


笑われた理由がわからなくて、つい拗ねた口調で尋ねた。


電話口では、楽しげな笑い声が響いている。


「あっ……!ごめん、ごめん!お前が緊張し過ぎやったから、何かおもろかってん!」


そう答えた創太に少しだけムッとして、眉間にシワを寄せてしまう。


「何よ、それ……?」


「いや、別に変な意味ちゃうねんで!?相変わらず七星らしいな〜、と思っただけやん!」


「ちょっと……。それ、褒めてるつもり?」


創太が相手だと強気になれるあたしは、意地悪な言い方をしてしまった。


「俺的には、最上級の褒め言葉やけど?」


その言葉で、あたしの脳裏には何故か電話の向こうにいる彼の笑顔が浮かんだ。


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