蝶々結び
修学旅行の最終日の朝。


ホテルを後にして、国際通りに向かった。


首里城や美ら海水族館とは一変して、国際通りは都会の風景とほとんど変わらない。


次の集合時間まで自由行動になっているから、優子と一緒に国際通りを歩いた。


途中で何軒もの店に入って、お土産を見て…


昼前には、ソーキそばが食べられると言う小さな食堂に入った。


この三日間、沖縄料理に嘆いてばかりいた優子は、ソーキそばだけは気に入ったらしくて…


「美味し〜♪」


すごく幸せそうな笑顔で何度も言って、きちんと完食していた。


集合時間に合わせてバスに戻ると、後は空港に直行するだけ。


帰りの飛行機では、恐怖心も無くなっていた。


また窓側の席に座っていたあたしは、真下に広がるエメラルドグリーンの海を見えなくなるまで見つめていた。


< 441 / 494 >

この作品をシェア

pagetop