蝶々結び
上杉先生に会えた事が、まだ信じられない。


だけど…


今あたしの目の前にいるのは、大好きな上杉先生。


「創太に感謝しなくちゃ……」


「あいつさ……俺にどうしても相談したい事があるって、母親を通して連絡して来たんだよ……」


創太は上杉先生の実家に連絡をして、先生の携帯の番号を教えて貰ったみたい。


「先生とまた会えて良かった……」


小さく呟くと、上杉先生がフッと笑った。


「だから、もう先生じゃないって……。良平って呼んでよ」


「え……?」


戸惑うあたしを、ニッと笑いながら見ている上杉先生。


意地悪な性格も、悪戯な笑顔も変わっていない。


あたしは恥ずかしさを隠すように俯いた後、顔を上げて笑みを浮かべた。


「良平……。大好き……」


笑顔で見つめ合ったあたし達は、もう一度キスを交わした。


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