蝶々結び
数日後。


創太に約束を取り付けてくれた上杉先生と一緒に、彼に会いに行く事になった。


専門学校に通う為に上京して来た創太の新居は、家から意外と近かったみたい。


彼の家の近くだからと言って待ち合わせする事に決めたカフェは、あたしも知っている店だった。


上杉先生の運転する車でカフェに向かい、駐車場に車を停めて中に入ったけど…


店内に創太の姿は見当たらなくて、あたし達は案内されたテーブルに着いて待つ事にした。


「創太、来てくれるかな……」


あたしが不安を零すと、上杉先生が笑顔で口を開いた。


「大丈夫。あいつは、昔から約束はちゃんと守る奴だから」


考えてみれば、創太はどんなに意地悪な事を言っていても、約束を破った事だけは無い事を思い出す。


「うん」


少しだけ安心出来たあたしは、小さく笑って頷いた。


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