蝶々結び
学校を後にして車に乗ると、上杉先生が口を開いた。


「今度改めて、七星の両親に挨拶しに行くよ」


「え?」


「ほら、色々迷惑掛けただろ?それに、俺これでも一応教師だし?」


最後の言葉が可笑しくてつい笑ってしまうと、上杉先生が眉をしかめた。


だから、ちょっとした罪滅ぼしのつもりで、ずっと秘密にしていた事を話す事にした。


「あたしね、先生との赤い糸を蝶々結びに出来たらイイのに……って、ずっと思ってたの」


呆れて笑われるかと思っていたら、上杉先生は優しい笑みを浮かべた。


「じゃあ、俺達の赤い糸はもう絶対に解けないようにしないとな」


正直に言うと、やっぱりほんの少しだけ不安はあるけど、先生の言葉はすごく嬉しかった。


先生……


好きだよ……


心の中で呟いて幸せを感じたあたしは、上杉先生にバレないように小さな笑みを零した。


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