BITTER CHOCOLATE
隼人先輩と亜子は、私の方を振り返ると焦ったように近付いてきた。
「 梨和、今の… 」
「 今の…って? 」
上目使いで先輩を見上げると、先輩は安心したように笑い、
「なんでもない」と言って頭を撫でた。
先輩、私先輩の笑顔が大好きなんです。
先輩に頭撫でて貰ったり、抱き締めてもらうとすごく安心するんです。
でも今は…………、不安しか無いです。
先輩、安心出来ないんです…。
「 梨和、行こっか? 」
「 はいっ 」
チラッと新先輩を見ると、私と目が合った瞬間目をそらされた。