【詩集】吟遊詩人になる前に
『夜の果てに』
俺たちは二人で

夜に叫んだ

つまらないことに

あがない続けた

夜の果てに

見た風景は

あの頃と同じ

愁い花のように

俺たちは二人で

夜を重ねた

犯した罪を

償っていた

夜の果てに

降った雨は

あの頃と同じ

憂い花のように

俺たちは二人で

夜に祈った

星に願いは

届かなかった

夜の果てに

吹いた風は

あの頃と同じ

悲しい花のように

俺たちは二人で

夜を愛した

本当の音楽を

鳴らしていた

夜の果てに

二人で笑った

あの頃よりも

優しい花のように
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