【詩集】吟遊詩人になる前に
『tear』
いつか

すべて動かなくなる

ボクの心臓のように

いつか

何も感じなくなる

みんなの手のひらのように

いつか

誰も愛さなくなる

この世界の人たちのように

もう黙ってしまおう

静かに、静かに

もう見ないでおこう

何も、何も

もう好きにすればイイさ

誰もが、誰もが

あきらめたら

涙が流れた

投げ出したら

涙が流れた

悲しくないのに

涙が流れた

そっか

まだ、ココにあった

この世界中の誰も

反対できないモノが

ココにあった

涙で滲んだ風景が

キレイで

風に洗われた蝶のように

明日に飛んでいける

そんな気がした
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