【詩集】吟遊詩人になる前に
『いつか、サヨナラ』
例えば

雨に濡れたキミに

ボクは

傘をさしかけられない

それが

キミとボクとの距離だ

キミの体は

思ったよりも近くて

指を伸ばせば

触れられそうだ

キミの心は

思ったように遠くて

壊れそうな気持ちは

届きそうもない

いつか、サヨナラ

はじめから

終点を見ているボクに

心躍るエピソードは

生まれやしない

いつか、サヨナラ

いつも

終点を見ているボクは

いつまでたっても

かなしい預言者のまま

いつか、ボクに

そんな、ボクに

サヨナラできたら

終点の先に

行けそうな気がする

いつか、ボクは

終点の先を

確かめたい

そこに…

キミが待っている

そんな気がするから
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